なあなあ日常ときどき雨

日常、建築、デザイン、映画、音楽、本ときどき毒づく

2017年一番良かった映画

 2017年に観た一番良かった映画は

この世界の片隅に

  

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https://filmarks.com/movies/62746

 

公開されたのは2016年の11月だったようですが、ロングラン上映をしていて2月頃観たので2017年良かった映画ということで。

 

konosekai.jp

 

前半は、戦時中の日本できっとどこでもあったようなほのぼのとした生活が描かれていて笑いあり、初恋みたいなドキドキあり、少しファンタジーもありで微笑ましく進んでいきます。

後半は戦争の描写が激しくなり、涙なしには観れません。主題歌がコトリンゴがカバーした『悲しくてやりきれない』なのですが、まさにその言葉。戦争ってこんなに悲しくてやりきれない出来事だったのだと考えさせられます。

 

主人公のすずさん演じるのんさんこと能年玲奈さんの声がまたすごく良い。彼女の優しくおっとりした広島弁がすずさんのキャラクターとマッチしていて、能年さんなしではここまでこの映画に入り込めなかったかもしれません。

 

実は映画を観る前に原作漫画を読んでいたので、

あのエピソードカットされたのか・・・

と惜しく思う部分も少しありました。また原作を見ていない人にはわかりにくい伏線とか描写も多々ある気がします。

けれどそれでも、見て損することは全く無いくらい映画として素晴らしかったです。

特に映像、アニメならではの空襲のシーンの表現には鳥肌がたちました。

最近は風景や建物をよりリアルに、写実的に描くアニメが評価されていたりします。そういうアニメを批判するわけではないですが、あえて抽象的に描写することで観ている人に突き刺す表現。

ジブリの『風立ちぬ』での関東大震災の揺れの瞬間の表現の仕方とも通じる、これぞアニメの骨頂だと思いました。

 

そして私が人生で初めて2度、同じ映画を映画館で見た作品です。

ひとつは同居人と行って、その何ヶ月後かに母と行きました。

映画館で印象的だったのは年配のご夫婦が多かったこと。すずさんの天然っぷりに起こる笑い声も普段は映画館で聞かない世代の方の声が多かったです。

母と映画を観ることなんかほぼ皆無の私が母娘で観れたのも、母と同じ気持ちを共有しながら笑えて、泣ける映画だと思ったからです。

 

twitterで感想を見ていて面白かった映画館でのエピソード

 

 

これを読んで祖父母が映画館に行ける元気があれば一緒に観に行きたかったな、

そして戦争映画としてではなく当時の生活のことについて語り合いたかったと思える、間違いなく今年イチ押しの傑作映画でした。

 

原作漫画についても語りたいことが多々ありますが

それはまた別の機会に。