瞬間芸術
友人のブログの内容が興味深い。
私も母がピアノの先生だったり、中高、大学時代と楽器をしていたので音楽はかじっています。
実に12年間は音楽に触れていたのに〈かじっている〉と表現したのは、プロフェッショナルになろうとして練習したことなんて一度もないから。
この曲を弾きたい、吹きたい、そういう具体的で小さなモチベーションのために楽器を練習してきたから。
この楽器を最大限響かせれる良い音をどうやったら出せるかとか、そういう域まで極めたことがないんです。
だから友人のように、プロを目指すって未知の領域で、ただただ心から応援しています。
友人がブログの中で音楽を〈瞬間芸術〉と言っていました。
芸術には色々分類があって、例えば
〈視覚芸術〉と〈聴覚芸術〉
〈自由芸術〉と〈応用芸術〉
〈空間芸術〉と〈時間芸術〉
〈事物的芸術〉と〈非事物的芸術〉
見方によって様々な解釈があると思いますが、
音楽はおそらく〈聴覚芸術〉であり、〈自由芸術〉であり、〈時間芸術〉であり、〈非事物的芸術〉。
そして私のおしごとである建築は〈視覚芸術〉であり、〈応用芸術〉であり、〈空間芸術〉であり、〈非事物的芸術〉。
では瞬間芸術の対義語は何なんでしょう?
調べてもこれというものは出てきませんでした。
単純に〈瞬間〉の対義語は〈永遠〉だから〈永遠芸術〉?
建築は音楽と比べると瞬間ではない。けれど永遠かと言われればそれも違う。
もちろん100年200年と生きる建築はあります。
でも建築が物質から作られている限り、本当の永遠ではないと思う。
つまり〈永遠芸術〉はない。ないからこそ芸術は心に響くのだと思います。
友人のブログを読みながらそんなことを思わず考えてしまった今日でした。
これは以前行った京都の円通寺の庭園。四季折々に表情を変える見事な借景。
はたして瞬間か永遠か。
この話はまた別の機会に。